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- 2019.03.31 Sunday
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不定期掲載「尾山監督ノート」今回のテーマは、今期最終戦終了後にまつわるお話です。
*「川田保科少年野球の儀式」
11月25日、今年の公式戦のすべてが終了した。翌日のフレンドリーシップの試合が終わったのは午後5時近くであった。もうすでに薄暗くなってしまった川田小学校のグランドに、子どもたちと保護者が再び集まってきてくれた。
六年生7名がホームベース上に横一列に並び、六年生のお父さん・お母さんたちがマウンドプレート上に横一列に並んでもらった。
そして私たち指導スタッフと五年生以下の子どもたちと保護者は、一塁線上に整列して並んだ。
キャプテンのYとYのお父さん・お母さんが4・5歩づつ前に歩み寄り、Yが感謝の言葉を両親に送った。心からの”ありがとう”の言葉にお父さん・お母さんの目から大粒の涙があふれ出た。そして、3人が抱き合い、長い激闘の労をねぎらった。
S家族・TO家族・M家族・K家族とそれに続いた。TI家族・H家族のお父さんは指導者も兼ねていた。
いろいろな思いが交差して、一つ一つの言葉に感動が広がり、見守る私たちにも涙がこぼれ落ちた。
六年生7名の言葉が全て終わると、お父さん・お母さんたち同士が握手やハグで一年の長い戦いの健闘とたたえあった。これは、素晴らしい光景であり、試合の勝ち負けを越えた何かを感じ取ることができた。子どもたち同士が本当に仲良く、心が通じ合っていなければ、お父さん、お母さんたちがこんな風にはならないはずだ。そして、皆で次のステージでの活躍を誓って儀式は終わった。
私は、ふとキャッチボールの意味を思い出した。
私は常々主役である投げ手より受け手のほうが大事だと子どもたちには説いている。よく考えて思えば子どもたちにとっての最高の受け手は、お父さん、お母さんなんだな…。
子どもが投げるすべてのボールを親は全力ですべて受け止める。正面で受け止め、決して逃げない。
甘えボール・わがままボール・もがき苦しみボール・悲しみボール・喜びボール・感動ボール……。
しかし、いつも子どもが主役の投げ手だが、親はすでに最高のボールを子どもに投げている。それは『命』というボールである。だからこそ、子どもは親からの最高のボール『命』を大切にして生きていかなければいけないのだ。
少年野球を通じて、野球の素晴らしさ、キャッチボールの本当の意味を知り、親子の信頼関係が深まり、子どもたち同士・親同士が親密になる。
こんな素晴らしいことが他にあるだろうか?
今年の川田保科少年野球の成績は、金1個と銅2個だった。でも本当の意味での勝利の野球ができたと儀式を終えた瞬間に思えた。心より子どもたちとお父さん・お母さんたちに敬意を表し、感謝申し上げます。ありがとうございました。